ボトムアップで事業をつくる
2年前に番組制作の部署から事業推進室に異動して、現場を離れて全体を見渡すと、うちには素晴らしいコンテンツや制作能力という資産があるのにうまく活用されていないことに気づきました。しかも組織が縦割りで横断的なことができない。そもそもNHKの番組制作を請け負う会社なので、社員がやりたいことを自発的にやることがなかなか難しい。その意識を変えるために何かできないかと考えた結果、弊社の“学び”に関するコンテンツ資産を使って新しいビジネスを開発するためのボトムアップ型で組織横断型のワークショップ「創発Cafe」を、佐宗さんたちと立ち上げたんです。
社内横断で外部も巻き込む
それまで一度も実施したことがなかったワークショップを、佐宗さんの呼びかけで外部企業の方も参加して実施したところ、社内からは役員から新入社員まで多様な人が参加して活発な議論が行われ、結果的には9つのアイデアを「大型事業開発提案」の提案書にまとめて提出。うち1つが認められ翌年に新規事業が立ち上がりました。私自身も創発Cafeの企画・運用が評価され、社長賞を獲得することができたんです。
経営陣と危機意識を共有
創発Cafe立ち上げの際に、佐宗さんから「ボトムアップ型を成功させるには経営陣の危機意識と重なる必要がある」というアドバイスをいただいたことから、単なる勉強会ではなく、新規ビジネス開発を主眼に置いて実施したことが大きかったですね。外部企業と協業することで社員の意識も変わったし、アイデアがビジネスにつながるようになりました。
さらなる巻き込みで共創
2年目には、佐宗さんの橋渡しでグループ企業のNHKメディアテクノロジーにも参加してもらい、グループ内での協業も始まりました。アイデアをかたちにするだけでなく、技術テーマから新しい学びを考えて事業化する道筋を一緒につくる座組みができたんです。また事務局にも参加してもらうことでグループ内のつながりができ、新たな横の連携が生まれるようになりました。
異文化をスムーズにつなぐ
各社の得意分野が明確になったことも大きいですね。うちは企画やアイデアは出せるけど、テクノロジーやビジネスのマインドがない。そこで技術はNHKメディアテクノロジーに、ビジネスは外部ベンチャーに力を貸してもらうことで、スムーズにかたちにできるようになったんです。企業文化や共通言語が違うところも、BIOTOPEさんに翻訳してつないでもらえたのもありがたかった。
自発的にできるように
創発Cafeをやるうちに、既存とはまったく違う制作プロセスをふんでいることに気づきました。それは知らないうちに教えてもらい、なぜか自分たちでできるようになっていた。A4紙1枚の企画書でまとめる文化でしたが、ビジュアルで訴えたりプロトタイプをつくったりを自然にできたのはとても面白い成果です。
強みを伸ばすサポート
BIOTOPEさんには、自然なフレームづくりをサポートしてもらえることにとても安心感があります。それぞれの強みを見つけてくれて、それを伸ばせるように毎回のワークショップでファシリテーションしてもらえる。一緒に続けていることで、上り調子で前に進んでいる実感がありますね。