どう伝えたらいいかわからない
弊社は2017年11月に創業したばかりのベンチャーで、「人工知能を使ったテクノロジーサービスを養豚経営者に提供し、豚肉の新たなビジネス生態系を構築する」会社です。ただ、僕をはじめみんな技術ベースの人間なので、伝えたいことや想いは山ほどあるのに、どうやったら正しく伝わるのかがよくわかっていなかったんですね。そこで、起業する前からいろいろと相談していた大学時代からの親友である佐宗に、ウェブサイトを一緒につくってほしいとお願いしたんです。
自分の考えが引き出されていく
ウェブの制作にあたっては、最初に佐宗による徹底的なヒアリングがありました。彼は「Eco-Porkという会社名に込めた想いは?」「マニフェストは何?」「技術を通じて何をしたいのか?」「その先にどんな社会を実現したいのか?」といった質問を次々と投げかけてきたんですが、それに一つひとつ答えていくことで、自然と自分の中にある考えが明確になっていったんです。そうすることで、「テクノロジーを使って、自然社会に貢献していく」という事業の軸が定まっていき、そのままウェブの会社概要の文言になりました。まさに共創によって引き出されたって感覚ですね。
オフタイムもキャッチボールで共創
佐宗とは家族ぐるみの付き合いということもあって、オフの時間にも家族一緒に食事して話をしたりしていました。そういうときは何か無理やりアウトプットを出さなきゃっていう感じじゃなくて、普通に会話のキャッチボールをしてもらえるんで、考えの下書きが増えていったというか、想いの断片がどんどん増えていったって感じですね。
5W1Hを全部明確に
そうやって根幹が決まったあとは、BIOTOPEのUI/UXデザイナーである池之上智子さんと、具体的な落とし込みをやっていきました。まずは情報の整理からスタートして、「どんなコンテンツが必要なのか?」「具体的な構成は?」「ページごとに何を伝えたいのか?」「いちばん伝えたいターゲットは?」といったことをとことんやりました。そうすることで、誰に、何を、どのように伝えたいのかという5W1Hを全部明確にしてもらって、ウェブが出来上がっていきました。
最適なロゴ制作ソリューション
それから、会社とサービスのロゴもつくってもらいました。ロゴは、表現したい情報をまとめていただき、それをクラウドワークスというクラウドソーシングのロゴ制作サービスを使ってつくりました。コストをあまりかけられないというベンチャーの事情を理解していただいたうえでの、最適な共創型のソリューションだったと思います。最終的には147案もの応募があって驚きましたね。池之上さんが、日本全国のクリエイターにロゴのコンセプトやニュアンス、例えば「テクノロジーの会社だけどテクノロジー過ぎない」とかを丁寧に伝えていただけたことで、理想的なロゴになりました。池之上さんの細やかなディレクションは、僕には絶対にできなかったと思います。
各省庁からの認定を獲得
4月にウェブがオープンしてすぐに、農林水産大臣が認定する平成30年度の高度先端型技術実装促進事業に選ばれました。また、経済産業省のIT導入補助金制度において農業用ソフトウェアとしてはたぶん世界初の認定を受け、導入した企業に補助金が出ることになりました。ほかにも、ウェブのおかげで獣医の共同開発パートナーができましたし、国内大手の農家がクライアントになってくれました。ローンチして4カ月ほどでこれだけの反響は、まさにウェブさまさまですね。特に省庁からの評価につながったのは、ベンチャーでここまできちんと伝わりやすいウェブをつくっているところがないからだと思います。